そして、タラフ登場!と同時に「ギャオー」というすっごい歓声の嵐、演奏が始まってもボリューム一杯の歓声が続く(バカヤロー、全然演奏が聞こえないじゃねぇか、静かにしろー!)。おまけに、楽器のアンプもボリューム一杯。よく見ると、バイオリンの本体にマイクが貼り付けてある。とってもじゃないけど、バイオリンの音じゃねぇよあれは、キンキンと単に耳が痛いだけ。クラブ・クワトロの音響は日本一最低だ!。
さて、舞台は演奏から唄に。DVDで見覚えのあるおじさんが歌い上げるところ。歓声もようやく静まる。しかーし、何やら回りの観客の様子がおかしい。とっても変だ。何やら、みんな、上体を下からすくい上げるようにリズムに乗せてゆらしている(イスラエルにこんな動きがあったような)。とにかく、気味が悪い。何かに取り付かれたようだ(みんな落ち着いて音楽を聞こうよ)。何とかしてくれー。
そのうち、我々の一部は、もう限界らしく前の位置から、ずっと後ろに引っ込んでしまう。こちらも、回りが熱狂すればするほど、余計に冷めていくのを自覚する。再び、速い演奏になり観客のキャン声も最高潮。音はあいかわらずキンキン状態。音楽を聞いているとはとても言えない。しかし、後ろから「すっごい、すっごい」「最高ー!」という女性の叫び声が聞こえる(だいじょうぶかー)。
とまあこんな感じで最後まで続く。変だったのは、どうやらこちらだったみたい。チガニーとかルーマニアの音楽を聞ききたいなんて思っちゃいけないのよ。あれは、おそらく「ワールドミュージック」なんですよ。というわけで、期待度120%だっただけに、がっかり度100%。タラフは、DVDで十分です。その後、買ったCD聞いたら、これがいいんですよ。演奏も良いし、いい音、いい録音してます。それだけに、「どうしてあんなコンサートにしちゃうの」と、変な人は思うのでした。