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ハンガリー・ジプシー公演(2) (引越し記事:2000/3/24)
3月19日のハンガリージプシー公演のCプロに行ってきました。この時は、本公演の前に、このサイトでも宣伝したレゲニェッシュ・フェスティバルがあり、それに参加もしたのですが、それはそれとして、以下は、Cプロの勝手な感想です。

実は、私は、以前Cプロを見たときの印象がとても悪く、今回も、あまり期待していませんでした。以前見たのは、「トランシルバニア舞踊団」のものです。Cプロとは、「Cプロはノンコレオグラフを含めた特別プログラム」(本公演のチラシ)ということで、バレエ的要素を持つ一般の民族舞踊団のコレオグラフを排除して、村の雰囲気そのままを観客に見せることを狙ったものです。

その考え方は、日本ではとても独創的で、当時、大いに期待していたんですが、結果は、退屈なものでした。村の雰囲気を確かに模してはいるのですが、何だか、だらだらと勝手に踊っているだけで、特に見せ場も無い。踊っている本人は楽しそうでしたが、「何でそんなもんお金払ってみせられなきゃ いけないの」という気分でした。舞台の上は、まさに狙いどおり村のタンツハーズ。お酒も飲んで何だか楽しそう。そして、我々観客は、全員壁の花、つまり、踊りたくても踊れなくてただ見ているだけ、という状態だったわけです。

Cプロをもう少し具体的に説明すると、例えば、8人程度の男性が舞台の中央で、輪になって踊る時、通常のコレオグラフであれば全員同じ動作をするわけですが、このCプロでは、各自好きな動作を即興で踊ります。本来、村では全員同時に同じ動作をすることは考えられませんからね。また、カップルで踊るときも同様で、各カップルは思いつくままにそれぞれ好きな動作を踊ります。そして、全体で見ると、それは決してバラバラな動きの集合体ではなく、却って、揃って踊るよりも、よりフォークダンスそのものが持つ本来の楽しさを感じさせることを狙ったものだと思います。

そして、今回の結果は、その狙いを見事に射止めたとてもすばらしい舞台でした。私がかつて見た頃から相当年もたっていますが、しっかり修正されてました。A、Bプロよりも、かなり見ごたえのある舞台だったと思います。

特に、セーケーの舞台は圧巻でした。バイタセンティバーニが混じったのは、まあ、ご愛嬌ということでしょう。ハンガリー人が村の公会堂で踊って楽しんでいる最中に、ジプシーが乱入して踊りだします。その踊りの見事なこと。最初は、白い目で眺めていたハンガリー人たちも、その踊りの見事さに乗せられ、ジプシーの踊りを踊り始めます。そして、そのジプシーのダンサーにせかされて、バンドの一人(サースチャーバスのおじさん)も踊りだした辺りには、舞台は、観客と一体となって最高潮に達しました。サースチャーバスのおじさんの踊りが、最高、別格なのは言うまでもないことですが、即興ともコレオグラフともつかないごとくサースチャーバスに踊りを促したジプシーの踊りを踊ったダンサーの個人技が見事でした。観客のその時の期待と舞台がリンクした瞬間だったと思います。そして、まわりのダンサー達も、すばらしい雰囲気を作っていました。

村の雰囲気を表現することは、決して村の雰囲気そのままを持ち込むことではないわけです。その踊りが好きな人であれば、実際に村に行って、すばらしい村の雰囲気を感じることはできるでしょうが、それと同じ光景を舞台の下から眺めても、おそらく、ほとんど退屈なものに感じるでしょう。 しかし、舞台は、あくまでエンターテイメントであるべきです。私が最初に見たCプロとの決定的な違いは、おそらくその認識の有無にあったのではないでしょうか。一連の流れの中で、ダンサー達がどのモチーフを出して踊るかは、即興だったと思いますが、全体のあらすじは、しっかり書いてあったはずです。村の雰囲気を出すというしっかりしたコレオグラフがあってこその即興なわけです。その意味で、特にセーケーの部については、とても良いコレオグラフが書けていました。こうした手法は、ティマールさんのコレオグラフの初期の頃に、よく見られたものですが、今回のCプロは、それをより徹底させたものでした。

そういう意味で、逆に言うと、A・BプロとCプロの違いが幾分か不明瞭になってしまった点も指摘せざるを得ません。今回のAプロ、Bプロとも、もともと即興的要素の強いプログラムが多かったからです。まあ、私は満足なんですが、一般の人にはA・BとCの違いは、よくわからなかったんじゃないでしょうか。加えて、AプロとBプロ違いがあまり無かったことも不満な部分ではありました。

いずれにしても、本公演、特にCプロは大正解でした。アンドドロムも大興奮でした。タバツク、タバツク、ウーッ、ズーッ タバツク、タバツク・・・・と耳について、離れません。前の日の大宮公演 で、だみ声になっていた、アンドドロムの「なぎら健一」のおじさんの、声も戻り、右から2番目の「スーパーウーハー」の時折聞こえる、唸り声も魅力でした。サースチャーバスの音楽と踊りは、♪タン タタン♪と目と耳に焼き付いています。ジプシーを踊ったダンサー2名も良かった。次回も期待!ですね。

〔今日の余計な一言〕

「こういうコレオグラフができるんだったらブダペスト舞踊団でも、そうすりゃいいのに、ジュラルフスキーさん」
by odoribe | 2001-01-09 00:00 | 言いたい放題 | Comments(0)
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